令和 5年 第一回 定例会
△《本会議録-令和5年第1回-20230220-029373-諸事項-出席議員等・
議事日程-》 令和5年第1回
神奈川県議会定例会会議録第4号〇令和5年2月20日 午後1時開議 ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共100名 出 席 議 員 加 藤 ご う 大 村 悠 桝 晴 太 郎 永 田 磨 梨 奈 永 田 て る じ 菅 原 あきひと 須 田 こうへい す と う 天 信 上 野 た つ や 石 田 和 子 田 村 ゆうすけ 松 長 泰 幸 山 口 美 津 夫 高 橋 延 幸 武 田 翔 田 中 信 次 川 崎 修 平 神 倉 寛 明 お ざ わ 良 央 た め や 義 隆 飯 野 まさたけ 望 月 聖 子 佐 々 木 ナ オ ミ 柳 瀬 吉 助 市 川 さ と し 佐 藤 けいすけ 大 山 奈 々 子 君 嶋 ち か 子 石 川 巧 芥 川 薫 川 本 学 市 川 和 広 山 本 哲 綱 嶋 洋 一 新 堀 史 明 田 中 徳 一 郎 野 田 治 美 脇 礼 子 石 川 裕 憲 米 村 和 彦 栄 居 学 小 林 大 介 京 島 け い こ 井 坂 新 哉 佐 々 木 ゆ み こ 楠 梨 恵 子 西 村 く に こ 谷 口 かずふみ 藤 代 ゆ う や 渡 辺 紀 之 原 聡 祐 高 橋 栄 一 郎 あ ら い 絹 世 柳 下 剛 細 谷 政 幸 河 本 文 雄 内 田 み ほ こ 中 村 武 人 古 賀 照 基 青 山 圭 一 斉 藤 た か み 赤 野 た か し 亀 井 たかつぐ 渡 辺 ひ と し 小 野 寺 慎 一 郎 長 田 進 治 国 松 誠 杉 本 透 し き だ 博 昭 小 島 健 一 いそもと 桂 太 郎 梅 沢 裕 之 嶋 村 た だ し 桐 生 秀 昭 浦 道 健 一 市 川 よ し 子 岸 部 都 く さ か 景 子 菅 原 直 敏 北 井 宏 昭 相 原 高 広 鈴 木 ひ で し 藤 井 深 介 森 正 明 土 井 りゅうすけ 杉 山 信 雄 小 川 久 仁 子 持 田 文 男 竹 内 英 明 佐 々 木 正 行 加 藤 元 弥 松 田 良 昭 牧 島 功 堀 江 則 之 作 山 ゆうすけ 松 本 清 た き た 孝 徳 松 崎 淳 近 藤 大 輔 曽 我 部 久 美 子 説明のための出席者 知事 黒 岩 祐 治 副知事 武 井 政 二 同 小 板 橋 聡 士 同 首 藤 健 治 政策局長 平 田 良 徳 総務局長 筒 浦 浩 久
くらし安全防災局長 佐 川 範 久 国際文化観光局長兼
拉致問題担当局長 香 川 智 佳 子 スポーツ局長 三 枝 茂 樹 環境農政局長 鈴 木 真 由 美 福祉子どもみらい局長 橋 本 和 也 健康医療局長兼未病担当局長 山 田 健 司 産業労働局長 河 鍋 章 県土整備局長 大 島 伸 生
デジタル行政担当局長 尾 﨏 美 貴 江 共生担当局長 川 名 勝 義 教育委員会教育長 花 田 忠 雄 同 教育局長 田 代 文 彦 警察本部長 林 学 同 総務部長 重 江 光 一
公営企業管理者企業庁長 髙 澤 幸 夫 企業庁企業局長 柏 﨑 克 夫 ─────────────────────────────────────── 議会局出席者 議会局長 浦 邊 哲 議会局副局長兼総務課長 高 瀨 正 明 同 議事課長 井 上 実 同 政策調査課長 大 河 原 邦 治 ─────────────────────────────────────── 令和5年第1回
神奈川県議会定例会議事日程第4号 令和5年2月20日午後1時開議第1 定県第 1 号議案 令和5年度神奈川県一般会計予算 定県第 2 号議案 同 年度神奈川県
市町村自治振興事業会計予算 定県第 3 号議案 同 年度神奈川県
公債管理特別会計予算 定県第 4 号議案 同 年度神奈川県
公営競技収益配分金等管理会計予算 定県第 5 号議案 同 年度神奈川県
地方消費税清算会計予算 定県第 6 号議案 同 年度神奈川県
災害救助基金会計予算 定県第 7 号議案 同 年度神奈川県
恩賜記念林業振興資金会計予算 定県第 8 号議案 同 年度神奈川県
林業改善資金会計予算 定県第 9 号議案 同 年度神奈川県水源環境保全・
再生事業会計予算 定県第 10 号議案 同 年度神奈川県
沿岸漁業改善資金会計予算 定県第 11 号議案 同 年度神奈川県
介護保険財政安定化基金会計予算 定県第 12 号議案 同 年度神奈川県
母子父子寡婦福祉資金会計予算 定県第 13 号議案 同 年度神奈川県
国民健康保険事業会計予算 定県第 14 号議案 同
年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計予算 定県第 15 号議案 同 年度神奈川県
中小企業資金会計予算 定県第 16 号議案 同 年度神奈川県
県営住宅事業会計予算 定県第 17 号議案 同 年度神奈川県
流域下水道事業会計予算 定県第 18 号議案 同 年度神奈川県
水道事業会計予算 定県第 19 号議案 同 年度神奈川県
電気事業会計予算 定県第 20 号議案 同 年度神奈川県
公営企業資金等運用事業会計予算 定県第 21 号議案 同 年度神奈川県相模川
総合開発共同事業会計予算 定県第 22 号議案 同 年度神奈川県
酒匂川総合開発事業会計予算 定県第 23 号議案 神奈川県
国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例 定県第 24 号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例 定県第 25 号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例 定県第 26 号議案 神奈川県職員定数条例の一部を改正する条例 定県第 27 号議案 特別会計の設置に関する条例の一部を改正する条例 定県第 28 号議案 神奈川県観光振興条例の一部を改正する条例 定県第 29 号議案 認定こども園の要件を定める条例の一部を改正する条例 定県第 30 号議案 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 定県第 31 号議案 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例 定県第 32 号議案
指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例 定県第 33 号議案 神奈川県歯及び口腔(くう)の
健康づくり推進条例の一部を改正する条例 定県第 34 号議案 港湾の設置及び管理等に関する条例の一部を改正する条例 定県第 35 号議案 土採取規制条例の一部を改正する条例 定県第 36 号議案 神奈川県県営住宅条例の一部を改正する条例 定県第 37 号議案 神奈川県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例 定県第 38 号議案 市町村立
学校職員定数条例の一部を改正する条例 定県第 39 号議案 神奈川県
地方警察職員定数条例の一部を改正する条例 定県第 40 号議案 神奈川県迷惑行為防止条例の一部を改正する条例 定県第 41 号議案 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 定県第 42 号議案 建設事業等に対する市町負担金について 定県第 43 号議案 かながわ
男女共同参画推進プランの変更について 定県第 44 号議案 包括外部監査契約の締結について第2 定県第 144号議案 令和4年度神奈川県
一般会計補正予算(第7号) 定県第 145号議案 同 年度神奈川県
市町村自治振興事業会計補正予算(第1号) 定県第 146号議案 同 年度神奈川県
公債管理特別会計補正予算(第1号) 定県第 147号議案 同 年度神奈川県
公営競技収益配分金等管理会計補正予算(第1号) 定県第 148号議案 同 年度神奈川県
地方消費税清算会計補正予算(第1号) 定県第 149号議案 同 年度神奈川県
災害救助基金会計補正予算(第1号) 定県第 150号議案 同 年度神奈川県水源環境保全・
再生事業会計補正予算(第2号) 定県第 151号議案 同 年度神奈川県
介護保険財政安定化基金会計補正予算(第1号) 定県第 152号議案 同 年度神奈川県
国民健康保険事業会計補正予算(第1号) 定県第 153号議案 同
年度地方独立行政法人神奈川県立病院機構資金会計補正予算(第1号) 定県第 154号議案 同 年度神奈川県
県営住宅事業会計補正予算(第2号) 定県第 155号議案 同 年度神奈川県
流域下水道事業会計補正予算(第2号) 定県第 156号議案 同 年度神奈川県
電気事業会計補正予算(第2号) 定県第 157号議案 神奈川県子ども・子育て基金条例 定県第 158号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例 定県第 159号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例 定県第 160号議案
幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例 定県第 161号議案 神奈川県手話言語条例の一部を改正する条例 定県第 162号議案
介護保険法施行条例の一部を改正する条例 定県第 163号議案 神奈川県建築基準条例の一部を改正する条例 定県第 164号議案 神奈川県
宅地造成等規制法関係手数料条例の一部を改正する条例 定県第 165号議案 神奈川県
道路交通法関係手数料条例の一部を改正する条例 定県第 166号議案 工事請負契約の締結について(
県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第1工区)請負契約) 定県第 167号議案 工事請負契約の締結について(
県営いちょう下和田団地公営住宅新築工事(建築-第2工区)請負契約) 定県第 168号議案 工事請負契約の締結について(
県営伊勢原峰岸団地公営住宅新築工事(1期-建築)請負契約) 定県第 169号議案 工事請負契約の締結について(
県営綾瀬寺尾団地公営住宅新築工事(1期-建築-第1工区)請負契約) 定県第 170号議案 工事請負契約の締結について(
横浜緑ケ丘高校体育館(柔剣道場)他新築工事(建築-第1工区)請負契約) 定県第 171号議案 建設事業等に対する市町負担金について 定県第 172号議案 訴訟の提起について 定県第 173号議案 和解について 定県第 174号議案 令和4年度神奈川県
一般会計補正予算(第8号) 定県第 175号議案 同 年度神奈川県
流域下水道事業会計補正予算(第3号) 定県第 176号議案 同 年度神奈川県
水道事業会計補正予算(第3号) 定県第 177号議案 同 年度神奈川県
電気事業会計補正予算(第3号) 定県第 178号議案 同 年度神奈川県相模川
総合開発共同事業会計補正予算(第2号) 定県第 179号議案 建設事業に対する市町負担金について ───────────────────────────────────────
△《本会議録-令和5年第1回-20230220-029374-質問・答弁-渡辺紀之議員-代表質問①地域の活性化について②県行政の新たな展開について③県政の諸課題について》 〔議会局長報告〕 出席議員 議長共98名
○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。 ───────────────────────────────────────
○議長(しきだ博昭) 審議を行います。 日程第1、定県第1号議案 令和5年度神奈川県一般会計予算外43件及び日程第2、定県第144号議案 令和4年度神奈川県
一般会計補正予算外35件、以上一括して議題といたします。 これより質問並びに質疑を行います。 質問の通告がありますので、順次発言を許します。 渡辺紀之君。 〔渡辺紀之議員登壇〕(拍手)
◆渡辺紀之議員 皆様、こんにちは。
自由民主党神奈川県議会議員団を代表し、通告に従い、順次質問をさせていただきます。 知事、企業庁長、教育長、警察本部長におかれましては、明快な御答弁を、また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。 質問に入る前に、一言申し上げます。 先週末から本日にかけ、北朝鮮からミサイルが発射され、特に18日には、EEZ─日本の排他的経済水域内に落下したと推定をされております。このような度重なる暴挙は、到底、容認できるものではなく、強く抗議いたします。 〔資料提示〕 質問の第1は、地域の活性化についてであります。 初めに、
コミュニティ再生・活性化の総括について伺います。 知事は、2019年の選挙において、笑いあふれる100歳コミュニティの実現を公約に掲げ、その第一声を横浜市の若葉台団地で発し、未病改善の社会参加は、コミュニティーの再生が鍵を握っていると高らかに述べられました。 程なくして、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響で、地域の環境は大きく変化し、それとともに、これまで続いてきた
コミュニティー活動が停滞することとなりました。 〔資料提示〕 そのような中にあっても、例えば、民間事業者と連携しながら、
オンラインイベントの開催支援や高齢者が外とつながるための
スマートフォン教室の実施など、ITを活用したコミュニティーの再生・活性化などに取り組み、地域のつながりを途切れないように工夫してきたことは承知をしております。 私は、知事の目指すコミュニティーは、かつてのような、お互いが日常的に支え合ったり、継続的に交流していく関係だと受け止めております。 また、コロナも徐々に落ち着きを見せる中、対面でのつながりを求める動きも出てきております。 こうした中、人と人とがつながる機会を日常的に、また継続的に、より増やしていくには、今後、従来型の
地域コミュニティーに加えて、例えば、地域の垣根を越えた、趣味でつながる
コミュニティーづくりや、SNSを活用した新たな人とのつながりなど、県として、さらにコミュニティーの再生・活性化を進めていく必要があると考えます。 そのために、まずは、これまでを振り返る意味で4年間の取組を総括し、その上で、今後に生かしていくべきだと考えます。 そこで、知事に伺います。 知事が掲げた
コミュニティ再生・活性化について、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、今後の観光振興施策について伺います。 約1年間にわたる大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映が昨年12月、大好評の下、終了いたしました。私も、全話くまなく見させていただきました。 一昨年、私の一般質問でも触れましたが、放映開始前、県内経済への波及効果が日本銀行横浜支店の試算では約260億円、横浜銀行等の試算では約307億円とされるなど、地域経済に元気を取り戻してくれるような、非常に明るいニュースとして取り上げられました。 このドラマは、鎌倉を中心に、東は三浦市、横須賀市から、西は真鶴町、湯河原町までと、本県が主な舞台となっております。 〔資料提示〕 県では、令和4年度において、この放映を捉えて、スポットライトが当たった場所も含めて、鎌倉時代のゆかりの地を巡る
デジタルラリー等を実施し、大河ドラマファンのみならず、鎌倉時代を中心とした歴史に興味を持った方々に、改めて神奈川の魅力をPRされ、県内各地で大いに盛り上がったところでもあります。 また、県では、観光需要を喚起するため、令和4年4月6日から県内旅行の割引を行う、かながわ旅割を実施しました。このかながわ旅割は、延長を繰り返しながら、10月まで実施され、その後も継続的に全国旅行支援「いざ、神奈川!」を実施してきたと承知をしております。 現在、社会全体が感染防止対策と社会経済活動の両立に向けて動いていく中で、裾野の広い観光産業のさらなる振興を図るためには、コロナ禍を経て変化した観光客の動向も踏まえながら、今後の新たな道しるべを示していく必要があります。 そこで、知事に伺います。 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放映を契機としたプロモーション等の観光振興施策をどう評価するのか、また、今後どのように観光振興に取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、社会経済状況の変化に対応しようとする中小企業への支援について伺います。 国は、成長と分配の好循環につながる新しい資本主義を掲げました。その要の一つとして、物価上昇率を超える賃上げを実現するよう、経済団体に求めております。 それを受けまして、大手企業は続々と賃上げを表明していますが、中小企業の7割以上が賃上げを予定していないことが、信用金庫等の実施した聞き取り調査で明らかになっております。 〔資料提示〕 賃上げができない理由は、売上げ回復が進んでいない、水道光熱費増額のためなど、エネルギー価格の高騰や円安による物価高の影響で、賃金を上げたくても上げられない中小企業の厳しい現実が浮き彫りとなっております。 加えて、中小企業は、間近に迫ったインボイス制度や、GX、DX、脱炭素など、様々な課題に対応する必要にも迫られております。 県はこれまで、多様化する中小企業のニーズにしっかりと応えていくため、支援機関の体制強化や、中小企業の稼ぐ力を取り戻すための支援をしてきました。 具体的には、ビジネス転換や経営改善等に向けた資金繰り支援、さらには人材や技術などの経営資源の喪失を防ぎ、事業を継続していくための事業承継の補助などを行ってきたことは承知をしております。 〔資料提示〕 一方、国では、中小企業向けの賃上げ促進税制や、ものづくり補助金等の補助率を引き上げる特別枠の設置、大企業と中小企業の共存共栄を促すパートナーシップ構築宣言の推進など、将来の成長に向けて取り組む中小企業を支援する姿勢を明確にしております。 私は、県としても、今後、大事な局面に入る社会経済の変化に対応するには、国の方向性に歩調を合わせ、喫緊の課題に取り組む中小企業をしっかりと支援していく必要があるのではないかと考えます。 そこで、知事に伺います。 本定例会に提案されている令和5年度当初予算案を含め、社会経済状況の変化に対応しようとする中小企業に対して、今後どのように支援していこうと考えているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備について伺います。 学校部活動は世界に誇る日本独自の教育活動であり、生徒が自主的に参加し、生徒同士のコミュニケーションの場となることはもちろんのこと、運動部活動については、生徒のスポーツ活動の機会や運動を実施する習慣を創出してきました。 しかし、国が進めている運動部活動の地域への移行が円滑に進まない場合には、生徒や保護者に不安を与えたり、生徒の活動そのものが制限されたりする可能性があります。このことが運動習慣の低下や体力の向上、健康増進にも影響を与え、生涯にわたってスポーツに親しむきっかけの喪失になりかねません。 昨年6月に有識者等による検討会議から提言が示され、12月にガイドラインが公表されるまでの間、本会議においても様々な議論が行われたところであります。 議論の中で、県教育委員会からは、市町村や関係団体等と情報交換や地域の実情に応じた意見交換を重ねており、今後、学校部活動の地域移行に関する方針を関係部局と連携しながら作成すると伺っております。 特に運動部活動の地域移行については、その受皿となる団体や指導者、さらには活動場所の確保などが大変重要であり、生徒の充実したスポーツ活動の継続のためには、教育関係の視点だけではなく、スポーツ振興の視点からの取組も必要だと思います。 そこで、知事に伺います。 今後、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 渡辺議員の御質問に順次お答えしてまいります。 地域の活性化について、何点かお尋ねがありました。 まず、
コミュニティ再生・活性化の総括についてです。 県ではこれまで、地域の抱える課題について、市町村同士が議論できる場を設定するなど、地域の
コミュニティー活動を支える市町村を後押ししてきました。 また、コロナ禍においても民間事業者と連携し、例えば、地域の高齢者が若者とインターネットで交流する機会を提供することで、生きがいや、やりがいを生む取組を実施してきました。さらに、大学生が県営団地に低廉な家賃で入居し、自治会活動に参加する取組や、団地で住民がコーラスに親しむ事業に、単位を得ながら参加する取組も実施しました。 こうした取組に参加した方からは、活動に参加してよかった、生きがいを感じることができたといった声を頂いており、
地域コミュニティーの再生・活性化が着実に進みつつあると感じています。 一方で、こうした取組の成果をより多くの県民の皆様に実感していただくためには、このような取組を県内全域に浸透させるアプローチが必要だと考えています。そのためにも、これまでの取組を改めて整理した上で、その成果を他の地域で展開する方策などについて、市町村や民間事業者と連携しながら検討していきます。 県は、県民の皆様一人一人に、いのち輝き、笑いあふれる100歳時代を過ごしていただくため、今後も
地域コミュニティーの再生・活性化を図るべきと考えています。 次に、今後の観光振興施策についてです。 初めに、「鎌倉殿の13人」の放映を契機としたプロモーション等の観光振興施策の評価についてです。 県では、全国旅行支援や様々なプロモーション等の観光振興施策を実施してきており、こうした取組もあって、観光産業は回復に向かっていると認識しています。 特に、「鎌倉殿の13人」の放映を契機とした取組により、ゆかりの地への誘客も進み、周遊観光が促進されたことに加え、例えば、梶原景時ゆかりの寒川町では、独自の歴史ツアーが開催されるなど、各地域の盛り上がりにもつながったと考えています。 次に、今後の観光振興についてです。 まず、コロナ禍を経て、観光地を選ぶ基準として、安心であることが求められているとの観光審議会等での意見を踏まえ、神奈川県観光振興条例を改正したいと考えています。 具体的には、観光客の安全に関する規定に安心の観点も明記し、市町村や観光事業者と連携した安全・安心に関する正確で分かりやすい情報発信等に取り組みます。 また、神奈川県観光振興計画を改定し、観光をめぐる環境の変化に対応した施策を推進します。具体的には、観光客の動向やニーズなどの観光データを分析し、その結果に基づく政策立案や戦略的なプロモーション等を行うほか、分析結果を地域と共有することで、地域の主体的な取組を後押しします。 県は今後とも、観光データに基づく観光振興施策を地域と連携して実施することで、地域経済を活性化させ、観光により地域が輝く神奈川につなげてまいります。 次に、社会経済状況の変化に対応しようとする中小企業への支援についてです。 中小企業が持続的に成長、発展していくためには、生産性を向上させて稼ぐ力を身につけ、社会経済状況の大きな変化に対応していくことが重要です。 そこで、県ではこれまで、コロナ禍や原油・原材料価格の高騰などの課題に中小企業が対応できるよう、ビジネスモデル転換への補助や制度融資による資金繰り支援、インボイス特別相談窓口の設置など、様々な支援策を講じてきました。 今後は、こうした支援を継続しつつ、賃上げや脱炭素への対応など、さらなる社会経済状況の変化に伴う支援策を展開したいと考えています。 具体的には、中小企業の脱炭素化に向けて、ワンストップ窓口を新設するとともに、制度融資を拡充し、環境と経営の両面から、最適な支援を実施します。 また、ビジネスモデル転換への補助では、コロナ禍や物価高騰を乗り越えようとする中小企業の取組に加え、賃上げや脱炭素化に向けた取組も支援していきます。 さらに、やむを得ず廃業を検討せざるを得ない事業者に対しては、従業員の継続雇用のための人件費や、専門家への相談費用を補助することにより、円滑な事業承継を後押しします。 このように、社会経済状況の変化に対応する中小企業の取組をしっかりと支援し、賃上げ、消費の拡大、そして、県経済の成長という好循環をつくり出していきたいと考えています。 次に、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備についてです。 部活動は、責任感、チームワークの醸成など教育的意義が大きく、特に運動部活動は、体力の向上や運動習慣の形成等にも大きな影響を与える大変重要な活動です。こうした運動部活動の持つ意義を維持しつつ、地域移行を進めるためには、教員に代わる指導者と活動場所の確保が大きな課題であると考えています。 そこで、まず指導者については、日本スポーツ協会公認のスポーツ指導者等、教員に代わる新たな担い手となり得る人材の把握を進めます。あわせて、地域間で人材に偏りが生じた場合に備え、広域的に対応可能な指導者を登録する人材バンクを設立したいと考えています。 また、活動場所については、休日の公立スポーツ施設や学校施設、公民館などの社会教育施設、民間のスポーツ施設などの利用状況を把握し、適切な利用の仕組みづくりなどについて、関係機関と共に検討していきます。 今後、県としては、円滑な部活動の地域移行に向け、県教育委員会や関係団体などと緊密に連携し、主役である子供たちの貴重な活動機会が守られるよう、しっかりと取り組んでまいります。 答弁は以上です。 〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。 〔渡辺紀之議員登壇〕
◆渡辺紀之議員 それでは、今の知事の答弁を受けまして、再質問を1点させていただきます。 私も高校時代は、こう見えてもテニス部におりまして、一生懸命汗をかいた記憶がございます。そのことを思うと、運動の重要性というのは十分実感をしているわけでございますが、この運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備でございますが、これまでの部活動というのは、学校教育の一環として行われていたので、保護者の金銭的な負担がある意味では最小限で済んでいたと私は承知しています。しかし、この地域移行が進んでいくと、その移行先として想定される地域スポーツクラブ等に当たると思いますが、それへの会費だとか指導料という費用負担が増えてしまうのではないかということも想像されるわけですけれども、この点について、どのようにお考えなのか、見解を伺います。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) それでは、お答えいたします。 学校部活動の地域移行に当たっては、教員に代わる指導者への謝金や活動場所の使用料など、新たな費用が生じることが懸念をされています。県では、そうした費用負担により、子供たちの参加に影響が生じないよう、昨年から、必要な財政支援等について、県教育委員会等と連携して国に要望しています。 今後も地域の実情を十分に把握し、万全の措置が講じられるよう、引き続き国に働きかけてまいります。 答弁は以上です。 〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。 〔渡辺紀之議員登壇〕
◆渡辺紀之議員 ありがとうございました。 それでは、2点要望させていただきます。 一つは、今後の観光振興施策でございますけれども、コロナ禍で人流が大分抑制されるなど、本県の観光が冷え込んでくる中で、まさしくこの大河ドラマの舞台が本県に、今の御答弁のとおり、様々な効果があるということも実感をいたしました。 私は、観光振興施策として、大河ドラマをはじめ、様々なロケ地だとか、ゆかりのところを歩くには、各市町でフィルムコミッションというのをやっているんですが、県全体でやることも、いいことではないかなと、また、この誘致活動も、県もやりながら市町村と連携して行っていただきたいなと私は思っております。 また、そういう観点も、御答弁もありました、今回改定を行う神奈川県観光振興計画に加えていただいて、着実に、時代に合わせた取組を進めていただくことを要望いたします。 そして、もう一つ、運動部活動の地域移行に伴う受入れ環境の整備についてであります。 学校部活動の地域移行が円滑に進むことは、将来にわたって生徒がスポーツ活動に継続して親しむことができる機会の確保になろうかと思います。また、そういう人たちからスターが出てくればありがたいなというのが、僕の夢というか希望でございますけれども、また、現教員の長時間労働などの負担が軽減して、働き方改革にもつながっていただければと思っております。 そのためには、学校と地域との連携・協働が不可欠でありまして、指導者の配置や活動場所の確保などの受入れ環境の整備には、このスポーツ行政の役割がとても重要になっていると考えます。 また、保護者の負担が、先ほどの再質問にもありましたけれども、負担が少しでも少なく、経済格差の中で活動を諦めてしまう生徒が出てこないような仕組みづくりをすることも大切であります。 今後、部活動の地域移行が充実したものとなるよう、関係機関等と一層の連携を図り、県としてしっかり取り組むとともに、必要な財政的な措置等についても、国に働きかけていただくことを強く要望いたします。 〔渡辺紀之議員発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 渡辺紀之君。 〔渡辺紀之議員登壇〕
◆渡辺紀之議員 質問の第2は、県行政の新たな展開についてであります。 〔資料提示〕 初めに、適正な指定管理料のあり方等について伺います。 指定管理者制度というのは、多様化する住民ニーズに、より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用して、住民サービスの向上と経費の節減等を図ることを目的にしております。 そこで、県は、平成17年度、2005年度から順次導入をして、その目的に見合う効果を上げてきたことは、一定の評価をしております。 しかしながら、昨今の指定管理者の公募に対する応募団体数を見ると、1から2団体と少なく、このままでは県施設の指定管理者の受け手がいなくなってしまうのではないかと懸念をしております。その要因として、指定管理料の在り方等にもあるのではないかと感じております。 バブル経済崩壊後の失われた30年の中で、国や自治体は緊縮財政を続け、我が国の経済は長らくこの縮小スパイラルに陥っておりました。加えて、昨今は、コロナ禍、円安、またウクライナ情勢に端を発し、資源・資材価格、光熱水費が急激に上昇するなど、我が国、また県行政を取り巻く経済環境は大きく変化をしております。 このような影響を受け、私の地元でありますけれども、伊勢原射撃場についても、経費の見直しとか、経営努力をされていると聞いております。また同時に、施設の老朽化も進み、修繕費がかさみ、このままでは運営に支障が出るおそれがあるとも言われております。 県の制度の運用上、物価変動のリスクは、指定管理者が負うのが原則であることは理解をしております。しかしながら、昨今の状況は、指定管理者側の節減努力を超える部分もあるのではないか。修繕等のリスク分担についても、指定管理者の持ち出しとなっていることがあるとも聞いております。 制度運用開始から18年が経過しようとしている中で、適正な指定管理料の在り方等について、小さくない不具合が生じてきているのではないでしょうか。 そこで、知事に伺います。 昨今のような急激な物価高騰等により、県から支払う指定管理料が不足した場合、指定管理者の健全な業務遂行に資するため、どのように対応していくのか、また、修繕等のリスク分担について、どのように考えているのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、歯及び口腔の
健康づくり推進条例の改正について伺います。 議員提案により制定された歯及び口腔の
健康づくり推進条例の施行から、10年が経過をいたしました。 今回、施行の状況を踏まえた見直しを行う中で、大規模災害の発生や感染症の蔓延時にも歯科保健医療を提供できる対策を進めることや、口腔の健康が糖尿病など生活習慣病対策にも密接に関連することを明確にしました。 そこで、歯及び口腔の健康づくりをより一層進めていくため、条例の改正を行うことを検討していると伺っております。 また、フッ化物を用いた虫歯予防対策であるフッ化物洗口に関して、県民への理解が促進されるよう、周知を進めることを検討していくと承知をしております。 条例の基本理念にもあるとおり、歯及び口腔の健康づくりが、生活習慣病その他の健康の保持増進に重要な役割を果たすことをきちんと県民に伝え、認識し、実践してもらうことが必要であると考えます。 そのためには、実効性を持つ条例となるよう、県としてしっかりと施策に取り組む必要があります。 そこで、知事に伺います。 今回どのような改正を行い、また、この改正を踏まえて、県として、今後どのように歯及び口腔の健康づくりを進めていくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、「さがみロボット産業特区」第3期について伺います。 さがみロボット産業特区は、現行の第2期計画が令和4年度で終了することから、現在、国に第3期に向けた継続の申請をしているところと承知しております。 〔資料提示〕 特区の取組を始めた10年前の当時から、ロボット産業は、伸び代の大きい成長産業と言われております。そして、今、コロナ禍への対応や、DXを進めていくツールとして、ロボットの持つ価値が再認識され、さらに、IoTなどとの融合により、ロボットの概念や新たな用途が広がりつつあります。 現在、産業構造が転換する中、県内ものづくり中小企業は7,000社を超え、約35万人の雇用を支えており、ものづくり企業への支援は、県としても必須であると考えます。 そのような中、特区内の市町では、県と連携して、中小企業のロボット産業への参入促進に取り組みたい、優れた技術を持つ中小企業とロボット開発企業を結びつけたいといった声が上がっていると承知をしております。 また、かながわグランドデザインに掲げるロボットと共生する社会が実現できているかというと、正直、ファミリーレストランでの配膳とか農作業での利用など、一部の報道には接することができますが、広く社会に当たり前のように活躍するまでには至っておりません。 今後、ロボットの実装がさらに進み、開発や販売に関わる県内企業が潤い、我々の日常生活が共に豊かになることを期待しているところであります。 第3期では、これまでの2期10年間で積み上げてきた成果に加えて、県内中小企業の成長促進につなげる取組に重点を置き、ロボット先進県を自負する本県として、ロボットの社会実装の加速化が必要であると考えます。 そこで、知事に伺います。 令和5年度から始まる、さがみロボット産業特区の第3期をどのように進めていこうと考えていられるか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、水道管路の着実な更新について伺います。 近年、高度経済成長期に急増した水需要に対応するため、大量に整備された管路が順次更新時期を迎えており、本県のみならず、全国の水道事業の抱える共通課題となっております。 これまでも年間の管路更新率を段階的に引き上げてきたところでありますが、今後40年間に、全管路延長約9,400キロメートルのうち、半分以上である約5,100キロメートルの管路が更新時期を迎えるため、さらなる取組が必要と考えます。 そこで、企業庁では、管路更新のスピードアップを図るための一つの手法として、今年度、民間事業者のノウハウを設計段階から活用する設計・施工一括発注─デザインビルド方式、いわゆるDB方式の試行にも着手をいたしました。 今回初めてとなるDB方式の発注においては、確実な履行を確保するため、代表企業の参加要件にDB方式の施工実績を求めており、現実問題として、地元事業者が代表企業として参入することはできません。 今後、同様の方法によるDB方式の発注が拡大されれば、これまで地域の管路更新を担ってきた地元業者の受注機会が県外の大手企業に奪われてしまうだけでなく、地元事業者の技術力向上の機会も失われていくのではないかと懸念をしております。 DB方式の試行結果を検証する中で、地元事業者が主体となって受皿となるよう、意見を伺いながら工夫を凝らしていくことが必要であると私は考えます。 大規模災害の際、いち早く被災現場へ駆けつけていただくのは地元業者であります。県民のライフラインを守るパートナーとして、しっかりした技術力のある地元事業者の存在は不可欠であり、その育成も急務であります。また、既に管路工事を担う技術者の確保も難しくなってきている状況です。 こうしたことを踏まえて、増大する管路更新需要に着実に対応していくためには、官と民が連携して最新の技術を学ぶ場を設けるなど、技術力の向上や効率化を図るための新たな取組も必要となるのではないかと考えます。 そこで、企業庁長に伺います。 発注者、受注者ともに限られた技術者のマンパワーの中で、今後、水道管路の着実な更新に向け、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。 〔資料提示〕 次に、県警察における組織体制の強化について伺います。 本県の治安情勢を見ますと、ここ数年来、刑法犯認知件数は、中長期的には減少傾向で推移をしているものの、高齢者を狙った特殊詐欺は、認知件数、被害額ともに増加をしており、また、女性や子供が被害に遭いやすいストーカー事案、そして、児童虐待事案は依然として後を絶ちません。 また、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした新しい生活様式により、テレワークやオンライン会議など多様な働き方が定着し、デジタル技術の活用が加速しております。 このように、先端技術の急速な発展に伴い、日常生活の利便性が向上する一方で、これらの技術を悪用した犯罪の発生が懸念されるところであり、今後、科学技術を活用した警察力の高度化、合理化は必須であると考えております。 〔資料提示〕 さらに、昨年の7月、安倍元内閣総理大臣が街頭演説中に銃撃をされ、命を絶たれてしまったことは、日本中に大きな衝撃と不安を与えました。この事件は、警察の警護体制が取られる中起きた許し難い行為でありましたが、その後の警察庁による検証結果を基に、警護の在り方も見直されたものと伺っております。 このような事案は、国の治安のみならず、民主主義の根幹にも関わる重大なことですので、今後もより一層、警護する側とされる側とが手を携えて再発防止に努め、県民の負託に応えていかなければならないと考えております。 そこで、警察本部長に伺います。 現下の社会情勢の変化を踏まえ、県警察の組織体制の強化に向けた取組について見解を伺います。 以上です。 〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。 〔知事(黒岩祐治)登壇〕
◎知事(黒岩祐治) 県行政の新たな展開について、何点かお尋ねがありました。 まず、適正な指定管理料のあり方等についてです。 県では、指定管理者が適切に業務を遂行できるよう、過去の実績や直近の物価状況を踏まえて指定管理料を積算しています。このため、指定期間中の物価変動のリスクは、指定管理者負担を原則としていますが、長期の指定期間中には、災害等、事前に想定できない例外的な事情が生じる場合もあります。 こうした場合、県はこれまでも、指定管理者と協議して対応してきました。例えば、東日本大震災の際には、施設の破損等、災害の影響額を確定した上で、費用を負担しました。 また、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、施設を閉館した際には、指定管理者の意向や経営状況を確認しながら、年度の途中においても減収となった分を負担しました。 昨今の急激な物価高騰については、施設の適切な維持管理に影響が生じないよう、個別に協議の上、必要な対策を講じたいと考えています。 また、修繕等のリスク分担については、施設の老朽化の状況等に応じて個別に定めています。 議員御指摘の伊勢原射撃場では、施設の老朽化により修繕の回数が増加したため、令和5年4月からの新たな指定期間の開始に合わせて、原則として指定管理者負担としている修繕費等について見直しを行い、協議の上、負担を決定することとしました。 他の施設についても、定期的なモニタリングの機会等を活用して、施設の状況等に応じたリスク分担が適切なものとなっているか、確認していきたいと考えています。 今後も、指定管理者とコミュニケーションを取りながら、制度の目的、効果を最大限に発揮できるよう、適切な制度運営にしっかりと取り組んでまいります。 次に、歯及び口腔の健康づくりの推進条例の改正についてです。 オーラルフレイルが進むと身体機能の低下につながるほか、歯周病と全身の疾患との関連性も指摘されることから、歯及び口腔の健康づくりは重要な取組です。 まず、条例改正の主な内容についてです。 今回の条例改正では、歯及び口腔の健康づくりが、全身の健康に果たす役割を普及啓発することや、災害発生時にも、歯及び口腔の健康づくりを推進していくことを明記します。 また、虫歯予防対策として有効なフッ化物洗口等の普及に向けて、実施主体となる市町村等の支援に努めることも規定します。 次に、今後の歯及び口腔の健康づくりの推進についてです。 まず、今回の条例改正の大きな柱であるフッ化物洗口については、来年度から、学校や家庭への普及啓発に取り組むとともに、市町村への支援についても関係団体の御意見を伺いながら検討していきます。 また、その他の改正内容についても、来年度改定する実行計画の中で、具体的な施策を位置づけたいと考えています。 こうしたことにより、県民の皆様の歯及び口腔の健康づくりを着実に進めてまいります。 次に、「さがみロボット産業特区」第3期についてです。 県では、これまでの2期10年間の取組の中で、特区発ロボットの実用化と普及を図るとともに、中小企業のロボット産業への参入を促進し、成果を上げてきました。 例えば、特区発ロボットの第1号であるパワーアシストハンドは、ロボット開発の経験がない複数の中小企業が互いの技術を持ち寄り、県のコーディネートにより、商品化を実現したものです。 こうした成果がある一方で、県内には、優れた技術を持ちながらも、ロボット産業に進出していない中小企業はまだ多く存在しています。また、産業構造が大きく転換する中、新分野への進出を模索する中小企業も増えています。 そのため、今後は、こうした中小企業の技術をロボットの開発や実用化にしっかりと結びつけていくことが重要と考えています。 そこで、特区第3期は、特区の市町と連携し、中小企業目線で地域のロボット産業を一層活性化させる取組を重点的に進めてまいります。 まず、これまでの中小企業同士の共同開発への支援に加え、新たな試みとして、ロボット開発に取り組む企業を全国から募集し、優れた技術を持つ中小企業とマッチングさせ、共同開発につなげることで、中小企業のロボット産業への参入を促進させていきます。 また、ロボット実装促進センターを新設し、病院や商業施設をはじめ、県民の皆様が日頃利用する様々な施設がロボットを導入する際、ワンストップで支援することにします。こうして、ロボットの社会実装を加速させるとともに、さらなる市場の拡大を図ります。 このような取組により、地域の企業や市町と共にロボット産業の振興を図り、特区を一層活性化させることで、ロボット共生社会の実現を目指してまいります。 私からの答弁は以上です。 〔企業庁長(髙澤幸夫)発言の許可を求む〕
○議長(しきだ博昭) 髙澤企業庁長。
◎企業庁長(髙澤幸夫) 企業庁関係の御質問にお答えします。 水道管路の着実な更新についてお尋ねがありました。 水道は県民生活や経済活動を支える重要なライフラインであり、将来にわたって安定給水を持続するには、管路の更新や耐震化を着実に進めることが大切です。 県はこれまで、工事量の増大に対応するため、概算で工事を発注し、施工後に精算する概算数量設計発注方式を導入するなど、効率化に努めてきました。しかし、今後、高度成長期に整備した大量の管路の更新時期を迎える中で、大規模地震の被害を最小限に抑えるためには、基幹管路の更新を現在の2倍程度のペースとする必要があることから、県、事業者ともに、さらなる業務の効率化や技術力の向上が求められます。 そこで、県は昨年12月から、設計・施工一括発注方式─DB方式を試行的に導入しました。設計と施工を一体化することで、設計段階から施工業者の意見、ノウハウを反映でき、工事での不具合や手戻りが大きく減るものと期待しています。 今後は試行結果をしっかりと検証し、効果が得られやすい工事の選定や、地元事業者が参画しやすい仕組みへの改善等を図っていきます。 また、デジタルトランスフォーメーション─DXを積極的に推進し、遠隔地から現場を確認、指示するためのウェアラブルカメラやドローンの導入など、県と事業者が現場に合った先進技術を互いに研究、提案し、実践することで、技術力の向上にも努めます。 このように、県と地元事業者等の連携の下、管路更新を着実に進めることで、安全・安心な水道を維持し、県民の皆様の命を支えてまいります。 私からの答弁は以上です。 〔警察本部長(林 学)発言の許可を求む〕